特別支援学級(以下、支援級)への入学が決まったお子さんが身につけておくとよいこと、できるようになっておくとよいことを、生活面と学習面からまとめました。
身につけておくとよいことは、◎〇△に順位付けをしています。
◎は「必ず身につけておきたいこと」、〇は「できれば身につけておくとよいこと」、△は「必要があれば身につけておくとよいこと」です。
◎を優先的に身につけ、あとはできる範囲で練習するとよいでしょう。
なお、この記事における支援級は、知的障害学級、情緒学級を指しています。ほかの学級には当てはまらない点があることをご了承ください。
生活面
支援級の先生方に「入学までに身につけておくとよいことはありますか」と伺うと、だいたい「身辺自立ができているといいですね」というような答えが返ってきます。つまり、
●一人で食事ができるようになっておきましょう
●一人で着がえができるようになっておきましょう
ということです。
では、排泄(トイレ)、食事、着がえごとにくわしく見ていきましょう。
排泄(トイレ)
◎ 自分でおしりをふく
〇 個室のカギをかける
〇(男の子)小のときにおしりを出さない
△ 和式でできるようにする
支援級への就学を希望するのであれば、オムツは必ず卒業しましょう。トイレトレーニングをしてくれるのは支援学校であり、支援級ではありません。一応オムツを替えてはくれますが、慣れていない先生も多く、お子さんにとってもストレスになる恐れがあります。
和式については、学校のトイレが和式中心の場合は練習しておきましょう。
食事
〇箸を使って食べる
食事中に遊ばないとか、他人のものは勝手に食べないといった初歩的なことが身についていて、ほとんど介助を必要とせずに食事ができれば問題ありません。配膳の仕方や食事のマナー、お箸の持ち方と使い方については、学校で教えてくれます。
着がえ
〇体操着の着脱(裏返しにならないように脱ぐ、裏返しを直す、服の前後がわかる、脱いだ服をたたむ)
体操着の着脱は学校でも練習しますが、入学までにおうちでも練習しておくとよいでしょう。
学校へ着ていく服選びも重要です。スムーズに着がえができるよう、デザインよりも着がえやすさを優先しましょう。
学習面
自分の名前が読めるようになっておくと、自分の靴箱、ロッカー、持ち物がすぐわかるので、便利です。
名前の書き方は、入学後すぐに学校で教えてくれます。多くのお子さんは4月中に書けるようになるので、入学前に書けなくても心配はいりません。
正しい鉛筆の持ち方、ひらがな、カタカナ、漢字、数字、時計などは、すべて学校で丁寧に教えてくれます。無理に先取り学習をする必要はないでしょう。
おわりに
特に優先順位が高いのは、トイレです。おむつを外して、一人でできるように頑張りましょう。ほかの項目については、身につけておくと、より順調に学校生活を始められるでしょう。あまり無理をせず、お子さんのペースで一つひとつ身につけてください。