療育とは何か
療育とは、障がいをもつ子どもの発達を促すトレーニングのことです。子どもの将来的な自立を目的として、発達や障害の程度に応じて行われます。
療育を受けられる場所
療育センター、療育病院、民間の施設などで受けることができます。お住まいの市区町村のホームページに療育を受けられる施設の情報があるはずですので、調べてみましょう。
費用
施設やお子さまの年齢、世帯の年収によって費用が異なります。
幼児教育の無償化に伴い、満3歳から5歳までの障害のある子どものための児童発達支援等の利用者負担が無償化されたことにより、利用者負担がない場合もあります。
療育の回数と時間
療育施設によって異なります。
わが子の療育施設の場合、集団は週1回で1時間半、個別は月1回で45分です。
週2回、週5回の施設もあります。
ご希望の施設に問い合わせるか、HPを確認してみましょう。
療育の内容
集団療育と個別療育
療育には、集団療育と個別療育があります。
集団療育は、複数(7~8名程度)の子どもを保育士、心理士、言語聴覚士、作業療法士などの複数の専門職の先生が指導します。
個別療育は、子どもと先生が1対1で行います。子どもの課題に応じて、心理士、言語聴覚士などが指導します。
集団療育と個別療育どちらにすべきか
集団療育も個別療育もメリット・デメリットがあるので、どちらがいいかを一概に決めることはできません。
コミュニケーション力、社会性が課題のお子さんには集団療育が適しています。
一方、手操作、言語力などの支援を望む場合は個別療育が向いていると思います。
先生と一対一でじっくり課題に取り組めるので、能力の向上がより期待できます。
お子さんの課題に合わせて、選びましょう。
療育の内容
集団療育
集団療育では、他人に興味を持ち、コミュニケ―ションへの意欲を育むために、
グループ課題、運動遊び、着脱・排泄の練習、自由遊びが行われています。
●グループ課題
歌、楽器遊び、読み聞かせ、ペープサート、工作、絵カードなどをさまざまなことを行います。
何週も続けて同じ課題をすることもありますが、異なる課題に取り組むこともあります。
●運動遊び
ボールプール、ボルダリング、ぶらんこ、トランポリン、すべり台で遊びます。
●着脱・排泄の練習
療育の途中で、トイレに行きます。
おむつの子も便座に座ったり、便器の前に立って排泄の練習をします。
●自由遊び
ままごと、電車、ねんどなど、好きな遊びをします。
個別療育
個別療育では、お子さんの課題に沿って、つみき、ブロック、プリント、工作、カード、ごっこ遊びなどを行います。
療育の効果
普通児にはなりません
まず理解しておかなければならないのは、いくら療育を受たところで普通児、健常児にはなるわけではないということです。
もし発達障がいのあるお子さんを普通児にするために療育を受けているのなら、療育の効果はまったくないと言えます。
実際の効果
6歳までに適切な療育を受ければIQが上がるというハーバード大学の研究結果があるそうですが、
実際のところ、どれほど効果があるかはお子さんによるでしょう。
ここからは個人的な経験をお話ししますので、興味のない方は飛ばしてください。
わが子には、療育の効果があったと思っています。
特に4歳での成長が目覚ましく、DQ(発達指数)が飛躍的に伸びました。
さらに、療育で課題をこなすたびに自信がつき、自己肯定感が高まったと感じています。
わが子は工作が苦手で、家ではまったくやりたがらず、保育園でも参加しませんでした。
というのも、他のお友だちより手先が不器用でうまく作れなかったからです。
そのことを療育の先生に相談したところ、毎回はさみをつかった工作を取り入れてくれるようになりました。
療育で先生と作っているうちに自信がついてきて、先生方や私に褒められることでさらに自信を深めたようです。
やがて、家でも工作をするようになり、今では保育園でもしっかり取り組めています。
わが子の成長がすべて療育のおかげだとは思いませんが、療育の効果を実感しました。
効果がないと感じたら
療育の効果がないと思ったら、療育施設に相談しましょう。
素直にご自分の意見・考えを伝えてください。
施設側が指導内容を変えるなどの対策を講じてくれるはずです。
それでも効果が見られないなら、
療育施設を移るか、療育をやめるという選択肢を入れてもいいでしょう。
療育は義務ではありません。続けるのもやめるのも自由です。
療育についての問い合わせ先
療育を希望する方が増えていて、希望の施設で療育を受けられないというケースも見られます。
療育を考え始めたら、できるだけ早く相談することをおすすめします。
相談先は、市区町村の相談窓口が一般的です。
検索エンジンで、「お住まいの市区町村 療育 相談」で検索すれば、相談窓口が出てくるはずです。